こんにちは、ニュービルドスタイル 代表の谷野卓磨です。
今回は、ウットデッキの特徴と人工木デッキの比較、そしてウットデッキの
施工例について記事を書き進めて参ります。
外部空間を有効利用したい、バーベキューや洗濯物、布団を干すスペースとして
活用したい、既存のウットデッキが劣化してきたので新しくしたい等々
ウットデッキを計画する場合の参考となれば幸いです。

ウットデッキの利点と欠点、人工木デッキとの比較
ウットデッキの長所と短所を上げてその特徴を紹介しながら
人工木デッキとの比較をしていこうと思います。
どちらかというと想定は、DIYや日曜大工ではなく、建築屋さんに
依頼した場合のイメージとなります。
ウットデッキの利点
- 広さを自由に設定しやすい
- 加工がしやすい
- 手すりのデザインでオリジナル性が演出できる
- 木目がいい雰囲気を醸し出す
- 人工木デッキと比べて経済的
1.広さを自由に設定しやすい

ウットデッキを作るときに使う木材の長さは、一般的に3.6mのものを
多く採用します。この3.6mの長さの範囲で自由な広さのウットデッキを
作ることが可能となります。
ただし、中途半端な長さで製作すると材料の切り無駄が発生するので
90㎝を一つの単位として大きさを決める場合がほとんどです。
1.8m×3.6m、2.7m×3.6m、3.6m×3.6m このような広さの
ウットデッキを目にすることが多いのではないでしょうか?!
これは90㎝を一つのサイズとして決めているからなんですよね~
もちろん、もっと大きいサイズのウットデッキを希望する場合は、
木材を足していくことで目的に合わせた広さのウットデッキを
製作することが出来ます
2.加工がしやすい
木材は加工がしやすいのも特徴の一つだと思います。
丸鋸やのこぎりなど使い好きな長さで容易にカットできますし、
ちょっと日曜大工に凝っている方は、止め切りという電動工具を
利用して、斜めに木材をカットするのもそれほど難しい作業では
ありません。
他の材料と比べて…やっぱり木材は扱いやすいですよね~
(例えばアルミ材とか…)
3.手すりのデザインでオリジナル性が演出できる

手すりのデザインに少し拘りを持たせ、ご自身のイメージに合わせた
ウットデッキが作れるのも利点として挙げられると思います!
手すり部分のデザインを筋交いのようにバッテンにしたり、
縦残にしたり横桟にしたりはたまた、Rの形状を取り入れてみたり…と
その住宅や外構の雰囲気に合わせた製作が可能となります。
このオリジナル性を、人工木デッキに求めることはちょと
できないので、デザイン性を比較するとやっぱりウットデッキが
一歩リードするのかなと思います。
4.木目がいい雰囲気を醸し出す
木目がいい雰囲気を醸し出す…これも人工木デッキでは味わえない
ウットデッキの特徴かなと思います。
また、ウットデッキは防腐剤入りの塗料で塗装をするのが
一般的で、その風合いと木目が相まって存在感を感じられるのも
ウットデッキを選ぶ際のポイントかなと思います!
5.人工木デッキと比べて経済的
ウットデッキ、人工木デッキどちらも建築屋さん等から
見積りをとると「え~結構するのね~」といった感想に
なるかと思います。
ウットデッキに関しては、お客様がイメージするよりも意外と
木材を使用すること、そして木材単価もウットショック以来
安価なものではありません。
また、大工さん等の職人の人件費も以前とは違い、ここ数年
高くなってきています。
人工木デッキに関しても材料費、職人さんの人件費ともに同じことが
言えると思います。ただし、同じ広さで比べた場合、人工木デッキのほうが
一般的に材料費は高くなります。
ウットデッキはその名の通り、「木」を使い組み立てていきます。
人工木デッキは人工木と束などの骨組みにアルミ材を使用して組み立てるため
ここにウットデッキと人工デッキの材料費の違いが現れることになります。
経済性、「金額を極力抑えたい」となると、やはりウットデッキを
選択するのが一般的かなと思います。
ウットデッキの欠点
- メンテナンスが必要
- 腐る
- 製作に時間がかかる
- 材料の選別が難しい
- 意外と使わない
1.メンテナンスが必要
ウットデッキ欠点の一つ目は、メンテナンスが必要! です。
ウットデッキは木材を使用するためその保護として防腐剤入りの
塗料を塗って施工しますが、概ね3~4年程度で塗り替えが
必要となってきます。
これは、経過年数とともに太陽光や雨など外部での影響で
塗装の塗膜が薄くなってくるからです。
簡単に言うと、塗装がだんだん薄くなる。
そのため定期的なメンテナンスとして、「塗る」といった
作業が必要になってくるわけなんですね~
これはもうウットデッキの宿命!
逆に比較対象の人工木デッキは塗装する必要ありません。
というか、塗装について、とあるメーカーに問い合わせて聞いたことが
あるんですが、帰ってきた答えは「塗装はNGです」とのことでした。
数年おきのメンテナンスでは、防腐剤入りの塗料を
用意することになりますが、出来れば安いホームセンター仕様の
塗料は使用せずに、私たち建築屋さんや塗装屋さんが使用する
プロ仕様の塗料を購入することをお勧めいたします!
お勧めの塗料は「キシラデコール」

塗装の膜(塗膜)がホームセンター仕様の塗料と全然違います!
塗った時の感じが全然違うんですよね。
塗膜の付き方がそして水の弾き方が!
ウットデッキを長持ちさせることを考えると少し割高感を
感じるかもしれませんが、プロ仕様の塗料を購入することを
断然お勧めいたします。
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2.腐る

「ウットデッキが腐ってきたので、どうしようか悩んでいます」という
お問合せいを頂くことがあります。
木材が腐る…これはもう~、切っても切れない関係性ですが、
ウットデッキ最大の弱点でもあるような気がします。
特に、木材同士が組み合わさった部分や地面に近い裏側の部分などは
メンテとしての塗装ができないため必然と腐りによる劣化が
進行しやすいこととなります。
これを比較対象の人工木と比べてみると…
人工木は腐らない!!!
腐る、腐らないはウットデッキvs人工木デッキの
最大の強みと弱みになるのではないでしょうか!
3.製作に時間がかかる
ウットデッキって意外と製作するのに時間がかかるんですよね。
ザックリですが、ウットデッキ1.8m×3.6m(畳4枚分)の大きさとした場合、
束のなどの基礎部分を含めて4日程度かかるのではないでしょうか。
(大工さんの人数にもよりますが…)
木材を刻んで調整し現場に合う寸法に合わせながら納められるのは
ウットデッキの利点でもありますが、こと製作時間という点でみると
弱点という側面もあるのかなと思います。
4.木材の選別が難しい

ウットデッキを計画する場合、部位によって使用する
木材の寸法(大きさ)や木材の種別が変わります。
この選定が意外と難しいのもウットデッキの特徴です。
例えば、土台に使うのは105×105の断面寸法の材料を使用するのか?
それとも90×90の断面寸法を使用するのか?
床の大引きとなる部分にはツーバイ材のどの大きさのものを使うのか等
私自身も見積りや納まりを検討する際に結構思案する部分です。
なぜこの木材の選別が難しいかと言いますと、ウットデッキの間口や
奥行きの長さに合わせた部材の断面寸法の選定が、ウットデッキの
金額に大きく影響してくるからです。
人工木にはない煩わしさですね~(笑)
5.意外と使わない

「それを言っちゃ~お終いよ~」といった感じでしょうか…?!
「意外と使わない…」
これは、ウットデッキに限らず人工木デッキにも言える
ことだと思います。(共通事項ー!)
新築の時などはやはり夢が広がりますので、お庭にウットデッキがあれば、
「バーベキューをしたり」「休日はお昼からお酒を飲んだり」
「家族やワンちゃんとの団欒スペースとして活用したり」等々できるなぁ…
と考えたりするものです。
でも時が経つごとに、いつしか…そこは…物置きスペース
そして知らないうちに古くなってしまっていた…
「新築するときは分からなかったけど、こんな広いウットデッキ必要なかった~」
そんな声もお聞きすることがあります。
ま~仕方ない部分ではありますよね~5年後、10年後の使い方なんて分からないですし、
時間とともにお子様の成長や生活スタイルに変化もありますので、それに応じて
使われ方が変わるのは当然のことだと思います。
ただ一つ、極力「失敗した~」とならないための注意点として
抑えておきたいのが、ウットデッキ、人工木デッキいずれも、
「広さの設定」だと思います。広さをどうするのか!
ザックリと、「広さ」のイメージをお伝えしておきます。
- 間口3.6m×奥行き1.8m(畳4枚の広さ)
3人程度で十分バーベキューができます。
布団や洗濯物を干すスペースとしても活用できます。
ウットデッキ、人工木デッキの基本寸法として押さえておくと
いいですよ!
- 間口3.6×奥行き2.7m(畳6枚分の広さ)
まあまあ広いです!ウットデッキとしては。
休日の癒しの外部空間、趣味の作業スペース、ワンちゃんの
日向ぼっこスペースとして活用できそうです。
- 間口3.6×奥行き3.6m(畳8枚分の広さ)
かなり広いです!目的を考えて決めないと将来「失敗した」と
なるパターンが予想されます…!
こんな感じでザックリとした広さのイメージを持ってウットデッキや
人工木デッキを検討すると「意外と使わない」場合でも「失敗した」と
ならないのかなと思います。
ウットデッキ、人工木デッキ迷った時の決断ポイント!
ここまでウットデッキの利点と欠点を挙げながら人工木デッキとの
比較を行ってきました。
では、実際にウットデッキと人工木デッキ、どちらを選択すればいいの???
こんな感じで迷われる方も居られると思いますので、ここからは
建築屋さん目線で私なりのウットデッキ、人工木デッキの決断ポイントを
お伝えして参ります。
1.金額重視であればウットデッキを選ぶべし
とにかく金額を抑えたいといった場合はウットデッキで決まりだと思います。
念のためお伝えしておきますが、これは建築屋さん等に製作をお願いする場合です。
DIYや日曜大工でやる場合はまたちょっと違ってきますのであくまで業者さんに
依頼をする場合と考えてください。
数年前の木材の高騰もあり、木材自体それほど安価な材料で
なくなりましたが、それでもお互い同じ広さで比べるとやはり
人工木デッキのほうが高くなると思います。
先日、ウットデッキを受注する際に、某メーカーの人工木デッキも合わせて
見積りしてほしいとのご要望があり比較検討しましたが、3.6m×1.8m同じ
広さで検討したところ、20万円ほどの金額のひらきがありました。(R7.11月現在)
将来のメンテナンスとして塗装費を考えなくてはなりませんが
初期費用を抑えた計画で考えると、やはりウットデッキをお勧めします。
2.DIY、日曜大工でデッキを作りたい
建築屋さんなどに依頼をするのではなく、ホームセンター等で
材料を自分で購入し製作する場合は、人工木デッキをお勧めいたします。
人工木デッキは使用するパーツが決められていて、イメージとしてはセット商品
といった感じなので、材料を用意すれば、後は組み立てていくだけ。
ウットデッキの場合は、木材の加工が容易といっても寸法を所定の長さに
合わせてカットすることが必要なので意外と手間がかかるものです。
特に縁側的な感じをイメージされているのであれば、建築屋さんや
大工さん等に頼まず、DIYで人工木デッキを製作するのがお勧めです!
3.意匠性も少し拘りたい
意匠性に拘りたいのであればウットデッキをお勧めいたします。
木材には、木目があり節があります。この自然素材の雰囲気は
流石に人工木では演出できません。木材のカットサンプルと
人工木のカットサンプルを見比べてみると一目瞭然です。

(人工木のカットサンプル)
また、意匠性で外せないのが「色」の選択だと思います。
「建物の雰囲気に合う色はどれかなぁ~?」みたいな感じで
少々悩んだりするポイントであるかもしれませんが…
選択できる色の種類は、塗料にしても人工木の色にしても豊富に
用意されています。ですが、やはり自然の木目や節の風合い、塗料を
塗った時の艶などを考慮するとウットデッキに分があるのかなと思います。
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あとは手摺の部分ですね。
人工木デッキは、予め手すりのデザインが何パターンかに
決められているため、その中から選ぶということになりますが、
ウットデッキでいくと、お客様の要望を取りこむことや
周りの雰囲気に合わせたりすることも可能なため、自由度が
高くオリジナル性を発揮することができます。
ウットデッキの意匠性で押さえておきたいポイントでした。
4.メンテナンスがめんどくさい
ウットデッキは将来腐ることが考えられるので、その対策として
3~4年程度で塗装が必要となります。でもこれがなかなか出来ない。
ま、大体は放置です。放置… これはある意味しょうがない。
「平日は仕事、週末ぐらいはゆっくりしたイ…」
こんな感じで、将来「ウットデッキは手間がかかる、めんどくさい…」
など、メンテナンスに対する抵抗感があるのであれば人工木デッキを
お勧めいたします。
ただし、ちょっと注意点があって、人工木デッキはメンテナンスが
必要ないと考えられているかもしれませんが、正確には
「メンテナンスが出来ない」です。
以前、あるメーカーのお問合せ窓口に電話をし、人工木について
質問したことがあります。
その内容は、「将来、人工木の色が褪せてきた場合に塗装はできるのか?」
というメンテナンスについての質問でした。
問い合わせ窓口で対応してくれた担当者からは
「塗装はできません」との回答。
要するに将来、人工木デッキが太陽光などの外部要因の影響で
色があせたり風化したりした場合でも塗装はNGということです。
メンテナンスについて少々突っ込んだお話をしましたが、
塗装のメンテナンスがめんどくさい、また塗料費などのマイナス
要因が大きく感じられる場合は人工木デッキをお勧めいたします。
ウットデッキの施工例
令和7年11月に施工したウットデッキを紹介いたします。
大きさは間口3.6m、奥行き1.8m (既存の大きさは3.6m×3.6m)
塗料はキシラデコール ピニー色です。
工事前

使用木材のツーバイ材
右側の缶が木材に塗る防腐剤の塗料でメーカー名が「キシラデコール」
この塗料がお勧めです!塗膜が厚くつきますし、水弾きが良い!

既存ウットデッキの広さは間口、奥行きともに3.6mです。
これから、間口3.6m、奥行き1.8mに作り替えです。

12年頑張ったウットデッキです!

もう一人の現場監督「ワンちゃん」登場 毎日現場管理していました(笑)
工事中

塗装一回目(下塗り)

塗装二回目(仕上げ)

既存ウットデッキ解体中

劣化部分

劣化部分

束石のセット 既存の束石を再利用し間口3.6m×奥行き1.8mにセットし直しました。
冬場の凍結を考慮して60㎝以上埋め込んでいます。

柱は105角を使用、床材はツーバイ材で2×8です。

大引き受けに受金物を使用、念のため錆止め塗装をしました。

柱と大引きの接続部分にはステンレスのタックボルトを使用し固定。

現場監督の「ワンちゃん」また登場!(笑) 家族の帰りを待っている(ワン、ワン)

いつもお世話になっている大工さん登場!
床は既存に合わせてツーバイ材の206を使用しました。
ここまで来たらほぼ完成。
完成

雨の日の写真で申し訳ないっす。
シンプルな感じのウットデッキ、キシラデコールのピニー色と
相まっていい感じ!

無料特典のご紹介!
最後にウットデッキを受注させて頂いた場合の
無料特典についてご紹介致します。
ウットデッキが良いなと思いつつも、お客様の中でネガティブに
感じるのは、将来必ず必要となってくる塗装のメンテナンス。
このメンテナンスの煩わしさ、めんどくささを少しでも解消するために…!
ニュービルドスタイルでは塗装によるメンテナンスのサービスを始めました!
(R8年6月までのお申し込みが対象となります)
内容はこちら↓↓↓
- 完成引き渡し後、4年間の経過状況に応じて塗装。
- 無料特典の塗装は一度きりとなります。(その後は有料にて塗装)
- 一回塗り
- 塗料はお客様負担でご用意をお願いいたします。
ご参考までに…
まとめ
今回は、ウットデッキの利点や欠点、人工木デッキとの
比較、またどちらを選択するのかのポイントを含め記事を
書き進めました。
後半で紹介させて頂いたウットデッキの施工事例と合わせて
今後のデッキ計画の参考となれば幸いです。
PS
もう少し詳しく知りたい、一度見て欲しい、その他、住宅のリフォームに
関することなどお気軽にご相談ください!
建築士が対応させて頂きます!
〒066-0017
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社名 ニュービルドスタイル 代表 谷野卓磨
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